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今日もタンブっていきましょう。
—— 川崎ではやけに事故や死に触れる機会も多かったらしいですね。

平山 よく死んでたよ。ぽこぽこと。交通事故とか自殺とか殺人とか。それが影響を与えていたかもしれないね。小説書いてるとよく訊かれるんだよ。「人を殺 したことあるだろ?」ってさ。人殺しはまだしたことないのに(笑)。それでも尋ねられるのは、やっぱり(暴力沙汰は)見ているからね。
 たとえば校庭で野球やってたら、「お前ら、どけー!」って怒鳴られてさ。山形ではどうか知らないけど、川崎じゃよく見知らぬ子供を殴るおじさんがいたん だ。それに教師もよく生徒を叩いてたんだよ。バチーンと。廊下ですれ違っただけで意味なく叩く。そんな土地柄だったわけ。
 で、野球をやっていたらそんな怒鳴るおじさんがいて、またぶん殴られるのかと思ってびっくりしたんだけど、校舎の屋上にセカンド守ってる青木君ってやつ のおじいちゃんがいるんだよ。「どけ! 今から落ちるから、そこどけ!」って。青木君も「おじいちゃん、どうして!」なんて言ってる間にピューッと落ち ちゃって。おれらが作ってる「稲の成長の記録」なんてところの縁のコンクリートに頭ぶつけて死んじゃった。そういうのがよくあったの。

—— それはまた……強烈ですね。

平山 酒屋に塩を買いに行ったときに、立ち飲みのところにふたりの酔っ払いがいたんだよ。暑い夏の日の夕方に。もうぐでんぐでんになって飲んでる。川崎だ とそういう人は珍しくもないんだけど、ひとりがコップをカタンと倒しちゃったんだ。酒がもうひとりのほうにかかっちゃって、そいつが怒ってコップ倒したや つを突き飛ばしたんだ。そうしたら突き飛ばされたほうがたたら踏んで後ろにひっくり返って、そこへトラックが来て、バーッと轢いちゃって。ものすごい悲鳴 がしたよ。向こう側にある花屋に脳みそが飛んじゃっててさ。でもえらいもんで、花屋の婆ちゃんが新聞紙でそれを包んで、青いバケツにぽっと放りこんだん だ。やっぱ戦争経験者はすごいなと思ったね。かなわない。あ、こんな話ばっかりしちゃまずいか。
その人の素顔|平山夢明×深町秋生対談 「誰も書かない表現で買ってもらう」 (via azs123abc) (via shikakun) (via takaakik) (via otsune) (via tiga)